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大人しそうに見えて、意外と獰猛なハンター「タイコウチ」のお食事の様子を写真とともにご紹介。
本記事では、飼育中のタイコウチにいろいろなエサを与えて捕食の様子を観察してみました。
分類:カメムシ目タイコウチ科
和名:タイコウチ
学名:Laccotrephes japonensis
体長は3〜4センチになります(呼吸管は含まない)。からだは長方形の扁平で、おしりから長い呼吸管が伸びています。
前脚はカマ状になっており、水生昆虫や小魚、エビなどを捕まえて食べるハンターです。浅い止水環境に生息しています。
観察容器と観察方法
今回の観察には、100円ショップで購入した小型のタッパー(タイコウチが動き回れるサイズ)を使用しました。容器には、汲み置きした水道水を水深1センチになるように入れました。
この容器にタイコウチを1個体入れ、いろいろなエサを与えてどうなるか観察してみました。
市販の冷凍赤虫(ユスリカ科の幼虫)
はじめに与えたのは、ペットショップなどで販売されている冷凍赤虫(ユスリカ科の幼虫)を解凍したものです。
ピンセットで赤虫を揺らして与えると、カマ状の前脚で赤虫を捕らえました。口吻を突き刺してしばらくすると、前脚は使わずに器用に食べていました。
チューチューと吸われた赤虫は、だんだんシワシワになっていきす。
そしてタイコウチのからだも食べた赤虫の色が透けて見え、だんだん赤黒くなっていきました。
あっという間に完食!
小魚(オイカワの幼魚)
次に与えたのは体長とほぼ同じぐらいのオイカワの幼魚です。
こちらもあっという間に前脚でガッチリとらえ、ウロコのすき間を探して口吻を刺していました。
タイコウチは思っていたよりも獰猛なハンターです!
ヒメアメンボ
水面をスイスイ移動するヒメアメンボも入れてみました。
しばらくするとタイコウチは、アメンボの長い脚をカマ状の前脚でガッチリはさみこみました。
一度捕まるとアメンボは逃れられないようです。しかし、アメンボは食べるところが少なそうですね。
カイエビ
今度はたまたま水たまりで見つけたカイエビのなかまを与えてみました。
タイコウチは、泳ぎ回るカイエビを捕らえようとしますが、表面がツルツルの殻で覆われているため、何度も逃げられて失敗していました。
さすがにこれは捕食できないかと思っていたら、カイエビの殻の隙間に上手く口吻を差し込んで最終的に捕食していました!
小型のタッパーなので、タイコウチには捕食のチャンスが何度もあり有利だったかもしれませんね。
自然界であればカイエビはツルツルの殻のおかげで捕食されにくいものと考えられます。
マツモムシ
最後に、野外ではタイコウチと一緒に採れることがあるマツモムシを与えてみました。
一瞬でタイコウチが前脚でマツモムシを捕らえました。
さずが!タイコウチはすごいなぁと思いながら、しばらく目を離していた間に事件が起きていました。
容器の中で元気に泳ぐマツモムシとひっくり返って弱るタイコウチ…!?
どうやらタイコウチは途中でマツモムシの反撃にあったようです。
タイコウチにマツモムシを与えたのは、この観察1例のみで、複数回観察してみると結果は変わる可能性があります。
しかし、マツモムシの強さを改めて実感しました。確かにマツモムシに刺されると激痛です。
そして飼育観察していたタイコウチにとても悪いことをしてしまいました。ごめん。
そのときのツイートはこちら↓
マツモムシは強い??
タイコウチvsマツモムシの予想外の結果にも驚きましたが、今回の観察からマツモムシにも興味がわきました。
マツモムシを使った捕食実験も面白そうなので機会があればやってみたいです。
生き物が捕食する瞬間を観察すると、いろいろな発見があるのでこれからも記録していきたいと思います。
Thanks.