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シマゲンゴロウの幼虫は、野外ではオタマジャクシを好んで捕食することが論文等で報告されています。
とても興味深い観察ですが、野外で実際にシマゲンゴロウの幼虫を見つけるのは難易度が高いですよね。
そこで本記事では、繁殖させたシマゲンゴロウ幼虫にオタマジャクシを与えて観察してみました。
分類:ゲンゴロウ科シマゲンゴロウ属
和名:シマゲンゴロウ
学名:Hydaticus bowringii
体長13〜14ミリの中型のゲンゴロウです。黒地の上翅に1対の黄色い斑紋と縦じま模様があります。
止水域に生息し、水田などの浅い湿地を好みますが、近年は減少している種類です。
シマゲンゴロウ幼虫、オタマジャクシが好き?
飼育下でシマゲンゴロウの繁殖に取り組んでいると、餌の冷凍赤虫だけでは幼虫が上手く育成できないことがあります。
水質や水温などの飼育環境が影響している可能性がありますが、餌(栄養面)も成長に関係しているように思います。
シマゲンゴロウ幼虫の餌について調べてみると、研究者によって野外ではオタマジャクシを好んで捕食しているという報告を見つけました。
これはやってみるしかない!早速、飼育中の幼虫にオタマジャクシを入れて観察してみました。
すごい!小さなからだですが、一瞬でオタマジャクシに飛びつきました!
幼虫よりもオタマジャクシの方が大きいですが、問題ないようです。本当にオタマジャクシが好きなんだろうなと感じられるとても素早い動きで、見ている私も興奮しました!
幼虫に捕まったオタマジャクシはしばらく暴れますが、次第に動けなくなります。
シマゲンゴロウ幼虫は、捕食したオタマジャクシを大人しくさせる何かひみつを持っていそうです。
生き物を飼育して繁殖させるには、成虫や幼虫の餌を知ることがとても重要です。繁殖させた生き物の成長状態が悪かったり、生存率が低いときには、飼育環境のほかに餌が適していないことも考えられます。
シマゲンゴロウ幼虫のように、野外での観察事例があると飼育下での参考にもなります。幼虫がオタマジャクシを捕食する瞬間は必見ですよ!
最後に、オタマジャクシを安定的にエサとして確保するのは難しく、また、エサとして使用する場合は自然への負荷も大きいという面があるので注意が必要そうですね。
【飼育方法】シマゲンゴロウを繁殖させてみた