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河川敷にできた水たまりで、水面にぷかぷかと浮く、かしわ餅のように葉っぱに包まれた謎の物体を見つけました。
調べてみると水生昆虫のコガムシやヒメガムシの卵嚢(らんのう)であることが分かり、観察をしてみました。
水たまりで発見、コガムシの卵嚢
雨が降った後にできた河川敷の水たまりに、普段見慣れないものがぷかぷかと複数浮いていました。
手にとって観察してみると、まるでかしわ餅のように葉っぱで包まれています。
1本だけツノのように伸びている部分があり、面白いかたちです。
一部を持ち帰って調べてみるとコガムシの卵嚢だと分かりました。この中に卵がたくさんつまっています。
分類:ガムシ科コガムシ属
和名:コガムシ
学名:Hydrochara affinis
コガムシは、体長16〜18ミリほどのガムシのなかまで、水田などの浅い湿地に生息しています。背中はツヤのある黒色をしています。
生息地では個体数は多いようですが、全国的には減少傾向のある水生昆虫です。幼虫は5月から6月に確認されている。
ヒメガムシの卵嚢
同じ水たまりには、サイズの小さい卵嚢もありました。
こちらは、ツノように伸びている部分がコガムシの卵嚢と比べてとても長い特徴がありました。
これはどうやらヒメガムシの卵嚢のようです。どちらの卵嚢も面白いかたちです。
本記事では、コガムシの幼虫の飼い方についてまとめてみました。
分類:ガムシ科ヒメガムシ属
和名:ヒメガムシ
学名:Sternolophus rufipes
体長9〜11ミリほどのガムシのなかまで、水田や池などの止水域に生息しています。コガムシよりも小型。
生息地では個体数も多く、幼虫は6月から9月に確認されている。
水たまりに集まる生きもの
雨が降ってできた水たまりは、一時的にできる浅い湿地です。
気温が高く、晴れの日が続くとすぐに干上がってしまう不安定な環境です。
なぜ、コガムシもヒメガムシもそんな水たまりに集まり、産卵場所に利用したのか理由は不明ですが、きっと不安定な水たまりでも産卵する大きなメリットがあるのではないかと考えています。
私が水たまりを利用する生きものに、興味を持つきっかけにもなった観察事例のひとつでした。
ちなみにコガムシの卵嚢は、家で孵化させて幼虫の育成も行ったので、そちらの記事も一緒にご覧いただけるうれしいです。